熊本県 つなぎ美術館特集(ゲスト:学芸員楠本さん/津奈木町役場濱田さん)

2月28日と、3月8は2回にわたって、熊本県津奈木町の〈つなぎ美術館〉特集!
放送内容と、当番組プロデューサー三好の現地取材レポートを、写真とともにご紹介しま
す。

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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、
「文化の楽しみ方」が わかる、見つかる、共有できる!
カルチャー、アートプログラム、 明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。

あなたの暮らしを豊かにするヒントを、 オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、 はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
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三好Pです。
先日2/28&3/8に放送した「つなぎ美術館」特集のおまけとして、現地取材レポートをご紹介します。

▶︎津奈木町は、熊本県の最南部・水俣市と隣接する町民わずか4,500人の小さな町です。
かつてこの町が蒙った水俣病からの再生を美術に託し、町をあげてのアートプロジェクトを80年代から続けてきました。2001年4月には町営の〈つなぎ美術館〉が開館。2021年を20周年イヤーとして、現在複数のプロジェクトが進行中です。

 【2021年の〈つなぎ美術館〉スケジュール

▶︎これまで番組では、様々な地域におけるアートの取り組みをご紹介してきました。
ある時期から僕は、どこのお話を聞くにも「それはアートの取り組みであるべきか」を考えるようになりましたが、〈つなぎ美術館〉には、その必然性があります。
 
課題解決と問題提起。各地域でのアートプロジェクトの多くは、集客促進や話題づくりといった「課題解決」のために始められますが、アートが一番その力を発するのは「問題提起」の側にあります。 
アートの表現そのものや、それが地域に生まれる過程を通じて、各地固有の問題を皆に見えるかたちに顕在化させ、考え合える「装置」として はたらくこと。
そこで生まれ落ちたヒントは「課題解決」へ活かし、また次なるレイヤーの「問題提起」へと移っていく。こうしたスパイラルを両輪で回し続けることが、地域におけるアートプロジェクトの要点ではないかと考えるようになりました。

▶︎津奈木町には「水俣病で蒙った町民の心の傷を再生す」という、短期的な取り組みではとても歯が立たない命題が与えられました。


こういうときこそ、アートの出番です。 
瞬間最大風速で大きく集客するイベントや、100万いいねで沸かすPRも、町民を前向きにさせる力はあるかもしれません。
ですが、この命題と真剣に対峙するには、もっとずっと長いスパンで、自分たちの地域やそこに生きる人々と向き合い、考え続ける自力/地力を育むことが必要です。
だからこそ、この町営の美術館を構えることに必然性がある。
顕在化し、提起し、皆で考え合わせ解決を探り続ける装置として。
今回、楠本学芸員が町民との関わりを大切に進めてきた20年間の活動を聞くほどに、そのことを確信するのでした。

今回、放送では学芸員の楠本さんと津奈木町役場の濱田さんをお迎えしてお話を伺いました。

2月28日放送回では、特集の前編として〈つなぎ美術館〉の由来や取り組みについて。
そして、3月7日の後編では、世界的アーティストを招聘して進められている20周年のプロジェクトの数々についてお聞きしています。
ぜひアーカイブでも、その内容をお楽しみください。
Our Culture, Our View Podcast アーカイブ】

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 そして、以下は事前の視察で巡らせていただいた津奈木町のようすです。






温泉、素晴らしい景観、美味しいグルメ。皆さんのご訪問の際のヒントに、ぜひ。


番組は、radikoのタイムフリー機能でお楽しみください。 
また、この内容はYouTubeでも配信しています。 

Twitter では、次回ゲストをお知らせしています。
 
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発信局:LOVE FM(http://lovefm.co.jp/) 
放送エリア:福岡県全土、熊本、長崎、佐賀、大分、山口の一部と九州北部 
福岡局76.1MHz 北九州局82.7MHz 福岡タワー局 82.5MHz      
パーソナリティ:佐藤ともやす 
放送日時:毎週日曜日 10:30-11:30 Presented by:株式会社明治産業


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