『藤田嗣治と彼が愛した布たち』特集-1(ゲスト:福岡市美術館 学芸課長 岩永悦子さん)

11月29日は、久々にスタジオを飛び出しての放送!福岡市美術館より、『藤田嗣治と彼が愛した布たち』をご紹介します。

この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、
「文化の楽しみ方」が わかる、見つかる、共有できる! 
カルチャー、アートプログラム、 明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。 

あなたの暮らしを豊かにするヒントを、 オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、 はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。



最近、再評価の高まる画家・レオナール藤田、藤田嗣治。
彼の作品のモチーフとして重要な役割を果たしている布を通して、その画業を検証する初の取り組みが、『藤田嗣治と彼が愛した布たち』です。

布と言えばこの方!
福岡市美術館館長であり、学芸課長の岩永悦子さんに解説いただきます。

―三好P 布から見る、新しい”画家としての藤田”がとらえられる展示になっていておもしろい!布軸で見ると、超わかりやすいです!

―岩永さん 発展とか変化がね、わかりやすいですよね。


冒頭に針仕事をしている自画像が飛び込んできます。これが展覧会の重要な要素になっていると岩永さん。
順を追って、ブロックごとに紹介、解説していただきました。

自身で服を作り、布のデザインもし、機織りもし。
極めていった様子がわかる最初のコーナーから続いて、布が詳細に描かれている絵画作品の展示へと続きます。
当時のパリでは、あまりにも正確に、かつ詳細に布が描きこまれた作品の前に、人だかりができるほど評価されたそうです。

あまりにも詳細に描かれている布の柄を見た後に、その目で女性の白い肌を見ると、ある効果が……
それは、ぜひ会場で体感ください!


美しい肌の裸婦を描いていた時期が、取りざたされやすい藤田ですが、
この展覧会では、そこから始まっていく藤田の作家性、哲学のようなものが、際立っていく時期の作品紹介へと続いていきます。

南米に移った後の作品は、通常の藤田の展覧会ではスコンとはずすことが多いそうですが、岩永さんは、「最高に面白い時期だと思っている」と言います。
色々な顔だち、色々な肌の色の人に出会い、リスペクトし、描いていっているのがわかるそうです。

目にしたものへの驚きを、畏敬を込めて絵にしていく。
そこそこでしか見られない民族衣装があり、そういう衣装も含めて、ストレートに喜びを描いている。それほど語られてない時期の作品が多数並びます。

それに続いて、日本に戻ってからの作品です。
こちらの作品もひとつ、ひとつ解説いただきました。
その土地固有のものを捕まえて描く、それがパリでも評価されたようです。

そして、それぞれモチーフにした布(シャツや着物)が合わせて、展示されています。


岩永さんの解説がわかりやすく、それを聞いてから作品を見ると、また違う視点が得られると思います。
ぜひ、放送を聞いてから、美術館へ足をお運びください。
1週では紹介しきれませんでした。続きはまた来週!

radikoのタイムフリー機能で1週間、その後は、YouTubeポッドキャストでもお聞きいただけます。

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発信局:LOVE FM(http://lovefm.co.jp/) 
放送エリア:福岡県全土、熊本、長崎、佐賀、大分、山口の一部と九州北部     
福岡局76.1MHz 北九州局82.7MHz 福岡タワー局 82.5MHz      
パーソナリティ:佐藤ともやす        
放送日時:毎週日曜日 10:30-11:30

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