Welcome to Our Living Room!わたしたちの音楽と希望 (ゲスト:小曽根真さん)

5月24日のゲストは、ジャズピアニストの小曽根誠さん。
Skypeをつないでインタビューさせていただきました。

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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、
「文化の楽しみ方」が わかる、見つかる、共有できる! 
カルチャー、アートプログラム、 明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。 

あなたの暮らしを豊かにするヒントを、 オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、 はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。 
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世界を舞台に活躍されている小曽根さんは、新型コロナウイルス感染拡大にともなう外出自粛の状況下、4月9日より自宅リビングルームからライブ配信を行うプログラム「Welcome To Our Living Room」(フェイスブックLIVE)を始められました。

毎晩、21時から1時間、小曽根さんの“リビングルームにお邪魔して”
リラックスした雰囲気の中、演奏会を楽しませてもらえる、夢のようなこの取り組みについてお話しをお聞きします。

---小曽根さん
「こいうときだからこそ、普段応援してくださる方々に、なにか恩返しができないかということで、生配信をはじめました。

亡くなった方もいらっしゃるので、その人たちの命が無駄にならないように
今、これから未来に向かっていく人間たちは、この星の上での生き方を、考え直さないといけないよ、ということを言われている気がするんです。

そんな中でどうやって感謝を表現するかというと、音楽家というのは、音楽することしかできないので。
今まで僕の人生を作ってくださった、サポートしてくださったみなさんに、まず恩返しというのが、今回の一番のテーマです。」


---小曽根さん
「海外と比較することではないけれど、ドイツなんかは、比較的サポートが早かったですよね。
日本においては、芸術というものが生命維持にとても大切なものだという意識が
ちょっとなかった気がします。
音楽とか芝居とか芸術に触れることが、生命維持につながっているんだということが、
普通にラーメンを食べるように、みなさんのところに浸透していったらすごく素敵だなと。
そのあたりを、国を引っ張っていく人達が、もう少し意識をしてもらえると嬉しいなと思います。」


毎晩、そこに行けば必ず待っていてくれる幸せな1時間
「Welcome To Our Living Room」は4/9以降の配信アーカイブを全回残してくれています。

ライブ会場ならではの『なにが起きるかわからない』即興にお客さんが反応する、そんな良さと、今回のフェイスブックならではの、
―演奏中に応援のメッセージが届く。
―お客さんに逆に励まされる。
―それに対して、カメラを回している奥様が涙することもある。
それぞれの良さを語っていただきました。

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三好Pは、贅沢にも番組の中で、小曽根さんに直接感想を伝えました。
毎晩必ず「その日いちばんくつろげる時間」が待っている
と思えることの安心感を感じ、特別なものだったという三好P。
1日ごとにアーカイブを残してもらえるおかげで、その1時間の幸福な記憶を
何度でも反芻して翌日以降の心の支えにできるということを。

---三好P
「僕は翌朝に、前日の演奏を見返して涙ぐみながら、よしっ今日もがんばろ。
と力に変えたことは1度や2度ではありません。」

「冒頭に必ずエッセンシャルワーカーをはじめとする、『その日一日を頑張ってこられた全てのみんなさん』への謝辞を伝えてもらえることの感謝に、報われる感覚もあんです。」

----小曽根さん
「受け手側のみなさんの感性なんですよ。
人間って、みんなそれを持っているんです。
だから、音楽をわかろうとはしなくていい。
わからないと思ったら、それは演奏家のせいなんです。
いい音楽というのは、心にポーンと飛び込んでくる。
コンサートでも、素敵でした!と感想を言ってくださる方がいらっしゃいますが、それは、取りに来てくださる、皆さんの感性がすばらしいんですよ。
その感性がなかったら、ぼくらは存在できないんです。
出す側と受け手側の50:50の関係のコミュニケーションが、芸術が存在する一番の理由なんです。
コンサートでは、それをみんなで共有できるんですね。」

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----小曽根さん
「毎日のルーティーンというのは大事で、21時という時間にみんなが集まり、
ここに行くと、「必ずみんなここにいるよ」という安心感。
一人じゃないという安心を感じられる時間。
これは、みなさんがある程度普通に動けるようになるまで、続けていこうと思います。

100回のリハーサルより、1回の本番なんです!」

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他にも、結成15年になる、小曽根さん率いるビッグ・バンド「No Name Horses」が、今やファミリーであるというお話や、「No Name Horses」の新しいアルバムのお話もたっぷり伺っています。

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---小曽根さん
「焦っても仕方がない。今は、ゆっくり考えるという時間にする。
気持ちをしっかり持って、1日1日を大切に考える。
自分自身の人生と向き合っていく時間になれば素敵だなと考えています。
それを、芸術・音楽がお手伝いできれば……。」

「全てにおいて娯楽、娯楽といって、消費が先行しすぎの世の中に巻き込まれていたと思うんですよ。物欲は切りがないですから。
実は、目の前にある友だちや家族、今日もご飯を食べられることをありがたいと思える、
そんな感覚が、戻ってくるといいな。
それを音楽はお手伝いできると思うんですよね。」

最後に、
「ジャンルを超えて、いろんな音楽をみなさんと自由に楽しんでいきたい!
今、毎日、何千人という方が聴いてくださっています。
皆さんのお役に立てるのがすごく嬉しい!
そのチャンスがあるのが嬉しいです!」
とおっしゃる小曽根さんですが、それでも、早くこれを乗り越えて、コンサートで皆さんとお会いしてコミュニケーションを取りたいそうです。


コロナの影響を受けて、様々なミュージシャンの方がライブ配信などをされ、どれも素敵なのですが、小曽根さんには、演奏と同じく、とても心温まる、前向きになれるお言葉をたくさんいただいたインタビューでした。


ぜひradikoのタイムフリー機能でお楽しみください。 
また、この内容はYouTubeポッドキャストでも配信しています。 

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発信局:LOVE FM(http://lovefm.co.jp/) 
放送エリア:福岡県全土、熊本、長崎、佐賀、大分、山口の一部と九州北部     
福岡局76.1MHz 北九州局82.7MHz 福岡タワー局 82.5MHz      
パーソナリティ:佐藤ともやす        
放送日時:毎週日曜日 10:30-11:30

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