福岡の出版社シリーズ 梓書院編(ゲスト:梓書院 前田司さん)

4月19日日曜日は、福岡の出版社に潜入!
梓書院前田司さんに今の地方出版社のアレコレをお聞きします。

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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、
「文化の楽しみ方」が わかる、見つかる、共有できる!
カルチャー、アートプログラム、 明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。
あなたの暮らしを豊かにするヒントを、 オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、 はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
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今は、お家で過ごすことが求められる時期。これまで、ゆっくり読めなかった本や、映画を見て過ごす楽しみを十分味わえる機会ではないでしょうか。

こんな時だからこそ……

ということで、今週は地元福岡の老舗出版社、梓書院の前田司さんに、出版社のお仕事や、おすすめの書籍をご紹介いただきました。



前田さんは、入社後、本屋への営業、著者探しから始まり、営業と編集の両方一緒にやってきましたが、最近では徐々に全体を管理、経営に業務をシフトしてきたそうです。

―ともやす 地元の出版社としての特徴と言いますか、地方の出版社の役割ってなんでしょう。

―梓書院 取締役部長 前田司さん(以下、前田)
地元の出版文化の向上と言いますか……。
出版社の8割が東京に固まっています。そんな中、福岡で本を出したいなと思う方が、相談できる窓口でありたいと思っています。
東京では、見つけられない文化、発掘できないものを発信する、そういう役目を担っているのではないかと思います。


梓書院と言えば、『季刊邪馬台国』が有名です。こちらは、1979年に創刊された長寿雑誌。

―前田 当初は、邪馬台国の所在地論などについて、専門の研究者とアマチュアをつなぐ役割の雑誌だったのですが、今では、古代史の総合雑誌としていろいろと特集しています。

―三好p 古代史、好きな人からすると、もうロマンの世界ですよね。


―三好P 出版不況と言われて久しいですが、そのあたりはいかがですか。

―前田 聞かれ慣れた質問ですが(笑)この20年くらいずっと下がり続けています。
ただ、紙の本・雑誌としては、落ち続けているのですが、電子ブックの市場はどんどん伸びてきています。本や漫画から、映画になったり、キャラクタービジネスが生まれたりと、コンテンツ産業としての膨らみはあるんです。

―前田 その点では、地方のほうが、まだまだ可能性がある。まだ、堀りつくされていない文化があり、技術的にも進化しているので、地方からの出版のほうが、今はしやすいのではないかと感じています。この追い風に乗りたいと考えています。

中央の大手は大手、地方は地方の強みを出して、お互いに成長していけたらいいなと思っています。


後半は、前田さんにおすすめの書籍を紹介していただきます!
一つ目は、漫画・鍋島直正
郷土の歴史や偉人を漫画にして発行してる、地元の人に地元の歴史を楽しんでもらうシリーズです。
地元、佐賀の人でも、実はあまり詳しく知らないという、鍋島藩のお話を取材し、漫画にしています。

これを読むと、当時の佐賀藩のすごさ!
大赤字だった藩が、幕末では、超最先端地域になった、という経緯がわかるそうです。

こちらのシリーズ、前田さんが、シナリオを書いて作画の方にお願いするそうです!
お話を聞いただけで、読みたくなってきました。


もう一つは、三好Pの好きな画家さんが絵を描いているという、松嶋圭の「陽光」

普通の人々の何気ない話は、実はドラマなんだというのを感じられる短編集です。
いろんなテーマがある中で、きっと読んだ人、それぞれお気に入りのドラマがある。
と前田さん。

半ノンフィクションで、精神科の医師である松嶋先生が、いろんな人に話を聞き、書かれた作品だそうです。プラダ主催の国際文学賞を、日本人で初めて受賞した作品だそうですよ。

こちらは、ともやすさんのナイスボイスで、リードを紹介しました。


企業理念の通り、「もの」を売るのではなく、「ものがたり」を提供する「ものがたりカンパニー」としてありたい、という梓書院の前田さんにお話しを伺いました。


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また、この内容はYouTubeポッドキャストでも配信しています。

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発信局:LOVE FM(http://lovefm.co.jp/)
放送エリア:福岡県全土、熊本、長崎、佐賀、大分、山口の一部と九州北部    
福岡局76.1MHz 北九州局82.7MHz 福岡タワー局 82.5MHz     
パーソナリティ:佐藤ともやす        
放送日時:毎週日曜日 10:30-11:30








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