福岡人なら知っておきたい仙厓さん「仙厓―小西コレクション」鑑賞編(福岡市美術館)
11月10日の放送は、日本最初の禅寺である聖福寺の住職を務め、親しみやすい書画を通して禅の教えをわかりやすく伝えた「博多の仙厓さん」特集の後編です。
福岡市で証券会社を経営されていた小西友次郎氏が収集し、そのご子息よりご寄贈いただいた作品を一挙公開する「仙厓―小西コレクション」を番組スタッフが鑑賞してご紹介します。
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福岡市美術館で開催中「仙厓―小西コレクション」。
先週は、学芸員の宮田さんに事前解説をしていただきました。
そして、その後鑑賞したスタッフのホットな状態での感想を、今週はお届けします。
―三好P いや~人生にフィードバックがあるくらいの素晴らしい内容でした。
簡単な作品に見えるけれど、実は深いという。
―ともやす それ一番かっこいいやつですね(笑)
深みのある作品がたくさんでした。実物を見ると書体と絵の愛らしさとが、段違いに入ってきました。
―三好P 見ている間、心が落ち着く感じがあり、見ることができて、ありがたいとさえ感じました。
では、展覧会最初に目にする「円相図」の感想から。
―三好P これを最初の段階で見ることで、思考が「仙厓サイド」に入って後の作品もスムーズに見ることができますね。
ー宮田さん これに、どういうことが書いてあるのかというと、今でいう、多様性を見つめつつも、共通点を探していくことのほうが大事ですよねというメッセージでしょうか。「円相図」だけでも、時代によって違いがあり、見比べる楽しさもありますよ。
―三好P 後「月歌図」が好きでした。月が描かれた、静かなひっそりとした絵で、穏やかな感じ、心が落ち着く。
それから、チャーミングな絵が集まっている章の「いろは弁図」。下のほうに描かれている童たちの様子がかわいくてたまらない。
―宮田さん これは、上に描かれている散文のいろはと、かわいらしい子どもたちの絵との対比が不思議な作品です。子どもたちに「いろは」をしっかり勉強してもらいたい、という思いで描かれたのではないかと思います。
―三好P 同じような、かわいいつながりで気になるのが「双狗図」です。犬の絵に、ただ「きゃんきゃん」と書かれている(笑)
―宮田さん もう、これは「説明はしないよ」ただかわいいと思ってもらえればそれでいいというメッセージですね。絵を見て直感的に「かわいい」と思うこと、これだけで十分なんです。
心のありようを重視する仙厓さんは、作品を見た人たちが、同じ気持ちを共有することを大事にしたようです。
他には、植物を描いた時の画風が、他と違うことも三好Pは気になったようです。
―宮田さん 誰に描いてあげているのか、どういう場面で描くのかというのを、意識していた仙厓さんなので、この竹の絵は、文章からおそらく漢字を読める人に対して描いたんでしょう。それに比べ「きゃんきゃん」は、漢字が読めなくても楽しめる(笑)
誰に対して、どういうメッセージを伝えるのかで、スタイルを変えていく、キャラの使い分けが上手な人ですね。
―ともやす 二重人格ではないですけれど、仙厓さんのいろんな側面が作品に現れていて、おもしろさを感じました。
➡ ➡ ➡ ➡
そして今回、三好Pが一番グっときた作品は、「五徳図」。
この作品は、仙厓さんに絵をお願いした人も、五徳を描かれた瞬間は、さぞびっくりしたことでしょう。
「五徳」は、~如く、かくのごとくとか、このようにありたいのだという、心を象徴する存在だそうです。仏教の世界では、悟りを開いた仏と、迷いの世界にいる世情は区別をするというのが常識なのですが、仙厓さんは、「それは心が区別しているだけだよね?心のありようが全てを決めるんだ」と、この作品は伝えていると宮田さんは言います。
―宮田さん この絵を描いてもらった人が、人に見せながら「仙厓さんは、心が大事って言っていたよ」教えを伝えていく。そういうじわじわと仙厓イズムを広げていく作品なのではないでしょうか。
他にも、仙厓さんは、判子を自分の分身のように絵に入れているそうなので、絵の中の印証の意味を見ながら見ていくのも面白いそうですよ。
ぜひ、福岡市美術館へ足を運んでみてください!
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【仙厓 ー 小西コレクション】
福岡市美術館
会期:年10月1日(火)〜12月1日(日)
観覧料:一般 200円(150円)、高大生 150 円(100円)、中学生以下 無料
※( )内は20 名以上の団体料金。
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ぜひradikoのタイムフリー機能でお楽しみください。
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福岡市で証券会社を経営されていた小西友次郎氏が収集し、そのご子息よりご寄贈いただいた作品を一挙公開する「仙厓―小西コレクション」を番組スタッフが鑑賞してご紹介します。
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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、「文化の楽しみ方」が
わかる、見つかる、共有できる!
カルチャー、アートプログラム、
明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。
あなたの暮らしを豊かにするヒントを、
オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、
はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
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福岡市美術館で開催中「仙厓―小西コレクション」。先週は、学芸員の宮田さんに事前解説をしていただきました。
そして、その後鑑賞したスタッフのホットな状態での感想を、今週はお届けします。
―三好P いや~人生にフィードバックがあるくらいの素晴らしい内容でした。
簡単な作品に見えるけれど、実は深いという。
―ともやす それ一番かっこいいやつですね(笑)
深みのある作品がたくさんでした。実物を見ると書体と絵の愛らしさとが、段違いに入ってきました。
―三好P 見ている間、心が落ち着く感じがあり、見ることができて、ありがたいとさえ感じました。
では、展覧会最初に目にする「円相図」の感想から。
―三好P これを最初の段階で見ることで、思考が「仙厓サイド」に入って後の作品もスムーズに見ることができますね。
ー宮田さん これに、どういうことが書いてあるのかというと、今でいう、多様性を見つめつつも、共通点を探していくことのほうが大事ですよねというメッセージでしょうか。「円相図」だけでも、時代によって違いがあり、見比べる楽しさもありますよ。
―三好P 後「月歌図」が好きでした。月が描かれた、静かなひっそりとした絵で、穏やかな感じ、心が落ち着く。
それから、チャーミングな絵が集まっている章の「いろは弁図」。下のほうに描かれている童たちの様子がかわいくてたまらない。
―宮田さん これは、上に描かれている散文のいろはと、かわいらしい子どもたちの絵との対比が不思議な作品です。子どもたちに「いろは」をしっかり勉強してもらいたい、という思いで描かれたのではないかと思います。
―三好P 同じような、かわいいつながりで気になるのが「双狗図」です。犬の絵に、ただ「きゃんきゃん」と書かれている(笑)
―宮田さん もう、これは「説明はしないよ」ただかわいいと思ってもらえればそれでいいというメッセージですね。絵を見て直感的に「かわいい」と思うこと、これだけで十分なんです。
心のありようを重視する仙厓さんは、作品を見た人たちが、同じ気持ちを共有することを大事にしたようです。
他には、植物を描いた時の画風が、他と違うことも三好Pは気になったようです。
―宮田さん 誰に描いてあげているのか、どういう場面で描くのかというのを、意識していた仙厓さんなので、この竹の絵は、文章からおそらく漢字を読める人に対して描いたんでしょう。それに比べ「きゃんきゃん」は、漢字が読めなくても楽しめる(笑)
誰に対して、どういうメッセージを伝えるのかで、スタイルを変えていく、キャラの使い分けが上手な人ですね。
―ともやす 二重人格ではないですけれど、仙厓さんのいろんな側面が作品に現れていて、おもしろさを感じました。
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そして今回、三好Pが一番グっときた作品は、「五徳図」。
この作品は、仙厓さんに絵をお願いした人も、五徳を描かれた瞬間は、さぞびっくりしたことでしょう。
「五徳」は、~如く、かくのごとくとか、このようにありたいのだという、心を象徴する存在だそうです。仏教の世界では、悟りを開いた仏と、迷いの世界にいる世情は区別をするというのが常識なのですが、仙厓さんは、「それは心が区別しているだけだよね?心のありようが全てを決めるんだ」と、この作品は伝えていると宮田さんは言います。
―宮田さん この絵を描いてもらった人が、人に見せながら「仙厓さんは、心が大事って言っていたよ」教えを伝えていく。そういうじわじわと仙厓イズムを広げていく作品なのではないでしょうか。
他にも、仙厓さんは、判子を自分の分身のように絵に入れているそうなので、絵の中の印証の意味を見ながら見ていくのも面白いそうですよ。
ぜひ、福岡市美術館へ足を運んでみてください!
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【仙厓 ー 小西コレクション】
福岡市美術館
会期:年10月1日(火)〜12月1日(日)
観覧料:一般 200円(150円)、高大生 150 円(100円)、中学生以下 無料
※( )内は20 名以上の団体料金。
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