20年の軌跡、100年の旅(「アジア美術、100年の旅」|福岡アジア美術館)前半
10月20日は、福岡アジア美術館 開館20周年記念展「アジア美術、100年の旅」事前解説編として、番組スタッフが作品を見る前に、学芸員の趙純恵(チョウスネ)さんにお話しを伺います。
この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、「文化の楽しみ方」が
わかる、見つかる、共有できる!
カルチャー、アートプログラム、
明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。
あなたの暮らしを豊かにするヒントを、
オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、
はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
1999年に開館した、アジアの近現代美術を専門的に紹介する世界に唯一の美術館、「福岡アジア美術館」。
その20周年を記念する「アジア美術、100年の旅」を、番組2回目の登場となるチョウスネさんにご紹介いただきます。
その第1部では「東アジア」「東南アジア」「南アジア」の重要な近現代美術に加え、それぞれの地域色が濃く表れた作品、さらに民俗芸術、大衆芸術などが紹介されています。
解説いただいた作品の一部を紹介。
「東アジア」では、ウ・ティエンチャン(呉天章)。
台湾の1950年代に撮られたレトロな写真をベースにした大型のインスタレーションは、下にあるボタンを押すと、真っ暗に暗転し、日本の統治時代の台湾で流行した曲が流れ出します。それに合わせて絵の中の、少女の像が消えたり、現われたりする……。
これは、10年ぶりに出した作品だそうですが、難しい仕掛けのため、内覧会の数時間前まで出来上がらず、急遽エンジニアを呼んだと。
その時代のその国の仕組みも合わせて、保存していかないといけないと改めて感じさせられたそうですよ。
また、各地域の会場の中心に「街角コーナー」として、旅の情報、食文化などの情報が展示されており、そこには、学芸員が現地調査に行った時のスナップ写真も飾られています。旅をしている感じになる仕掛がこんなところにもあるんですね。
続いて、「東南アジア」のエリア。
ほとんどが植民地の国だったという歴史の中で、西洋の技法で描かれたアカデミックな油彩画が充実しています。
シンガポールにずっと貸出ししていた作品が、久々にお披露目されているそう。
そして「南アジア」では、パキスタンのハート・マハルというグループによる宗教性と大衆性を併せ持った、表現の強い作品。こちらも鮮やかな絵と電飾が強い光を放つ作品です。(電球が切れてしまったら、日本には売ってないので大変だとか)
今回、この展覧会を考える上で、自分たちの作品はすごいんだぞ。
私たちはこんなにいろんなことをやってきたんだそ。
という視点だけではなく、非美術と美術の境界を問う活動を20年間してきたアジア美術館のそれは、遠くまで伝わっているのか、地元福岡の市民には伝わっているのか、
というのが大きな課題だったそうです。
チョウスネさん 今回の展覧会は、美術の専門家にとっては物足りないかもしれないですが、アジア美術の入門編をこの20年を節目として改めてやりたいということで、分かりやすく地域別、時系列の構成をとりました。
続き可は次週!いよいよ作品と対峙します。
あなたも、ぜひ、放送内容を聞いてから、足を運んでみてください。
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福岡アジア美術館 開館20周年記念展「アジア美術、100年の旅」
会期:前期 ~2019年10月22日(火)/後期 10月24日(木)~11月26日(火)
会期中、展示替えを予定しています。
観覧料:一般1000 (800) 円 高大生800 (600) 円 中学生以下無料
日曜~木曜:9時30分~18時まで/金曜・土曜:9時30分~20時まで
※チケット購入は閉室30分前まで。
詳しくはこちら⇒★
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番組は、radikoのタイムフリー機能でお楽しみください。
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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、「文化の楽しみ方」が
わかる、見つかる、共有できる!
カルチャー、アートプログラム、
明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。
あなたの暮らしを豊かにするヒントを、
オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、
はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
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1999年に開館した、アジアの近現代美術を専門的に紹介する世界に唯一の美術館、「福岡アジア美術館」。
その20周年を記念する「アジア美術、100年の旅」を、番組2回目の登場となるチョウスネさんにご紹介いただきます。
チョウスネさんには、この番組が始まったばかりのころに、ご自身のプライベートなお話しも伺い、そのお話しの内容から、番組の一つのスタイルを見出したという、ともやすさん。
旅をしているような感覚で、歴史を辿ることができると聞き、色とりどりのチラシから、どんな感じで展覧会が展開されるのかワクワクしています。
まずは、今年二十歳を迎えた、福岡アジア美術館が生まれるにいたった歴史や、福岡市美術館、アジア太平洋博覧会などの繋がり、今この作品がこの美術館に収集されるまでの流れなどをお聞きした後に、展覧会の解説をいただきました。
チョウスネさん アジア美術館の所蔵の作品のほとんどが、20世紀初頭から今日までの100年間に制作された作品であり、その作品を通して広範なアジア美術をめぐる時間と空間の旅を提案するということから、今回アジア美術100年の旅という壮大なタイトルがつけられました。
その第1部では「東アジア」「東南アジア」「南アジア」の重要な近現代美術に加え、それぞれの地域色が濃く表れた作品、さらに民俗芸術、大衆芸術などが紹介されています。
解説いただいた作品の一部を紹介。
「東アジア」では、ウ・ティエンチャン(呉天章)。
台湾の1950年代に撮られたレトロな写真をベースにした大型のインスタレーションは、下にあるボタンを押すと、真っ暗に暗転し、日本の統治時代の台湾で流行した曲が流れ出します。それに合わせて絵の中の、少女の像が消えたり、現われたりする……。
これは、10年ぶりに出した作品だそうですが、難しい仕掛けのため、内覧会の数時間前まで出来上がらず、急遽エンジニアを呼んだと。
その時代のその国の仕組みも合わせて、保存していかないといけないと改めて感じさせられたそうですよ。
また、各地域の会場の中心に「街角コーナー」として、旅の情報、食文化などの情報が展示されており、そこには、学芸員が現地調査に行った時のスナップ写真も飾られています。旅をしている感じになる仕掛がこんなところにもあるんですね。
続いて、「東南アジア」のエリア。
ほとんどが植民地の国だったという歴史の中で、西洋の技法で描かれたアカデミックな油彩画が充実しています。
シンガポールにずっと貸出ししていた作品が、久々にお披露目されているそう。
そして「南アジア」では、パキスタンのハート・マハルというグループによる宗教性と大衆性を併せ持った、表現の強い作品。こちらも鮮やかな絵と電飾が強い光を放つ作品です。(電球が切れてしまったら、日本には売ってないので大変だとか)
そして、第2部の「アジアのなかの福岡」では、1989年に始まったレジデンス・プログラムに参加した、アジアの作家たちによる選りすぐりの作品を紹介しています。
その中から……
アジアの女性作家の中で、今、最も評価されていると言っても過言ではないインドの作家、ナリニ・マラニ「ハムレット マシーン」。
システムが難しい作品で開幕して3日経つこの日でも、1日1回はトラブルが起こるという。毎日、祈りながら立ち上げる作品だそうです。
アジアの女性作家の中で、今、最も評価されていると言っても過言ではないインドの作家、ナリニ・マラニ「ハムレット マシーン」。
システムが難しい作品で開幕して3日経つこの日でも、1日1回はトラブルが起こるという。毎日、祈りながら立ち上げる作品だそうです。
内容は、一見かなり難解なインスタレーションですが、自分のバックグラウンドを意識しながら、社会における女性の地位を問い直すインスタレーションです。
こうやって聞いて行くと、なんとも作品の保存の難しさが目立ってしまいました(笑)
今回、この展覧会を考える上で、自分たちの作品はすごいんだぞ。
私たちはこんなにいろんなことをやってきたんだそ。
という視点だけではなく、非美術と美術の境界を問う活動を20年間してきたアジア美術館のそれは、遠くまで伝わっているのか、地元福岡の市民には伝わっているのか、
というのが大きな課題だったそうです。
チョウスネさん 今回の展覧会は、美術の専門家にとっては物足りないかもしれないですが、アジア美術の入門編をこの20年を節目として改めてやりたいということで、分かりやすく地域別、時系列の構成をとりました。
続き可は次週!いよいよ作品と対峙します。
あなたも、ぜひ、放送内容を聞いてから、足を運んでみてください。
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福岡アジア美術館 開館20周年記念展「アジア美術、100年の旅」
会期:前期 ~2019年10月22日(火)/後期 10月24日(木)~11月26日(火)
会期中、展示替えを予定しています。
観覧料:一般1000 (800) 円 高大生800 (600) 円 中学生以下無料
日曜~木曜:9時30分~18時まで/金曜・土曜:9時30分~20時まで
※チケット購入は閉室30分前まで。
詳しくはこちら⇒★