見る!撮る!Dive to 写真カルチャー DAY1(ゲスト:おくスタジオ 奥勝浩さん)

8月25日の放送は、福岡市の写真家、「おくスタジオ」の奥勝浩さんをお招きして、「見る!撮る!Dive to 写真カルチャー DAY1」をお届けします。

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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、「文化の楽しみ方」が わかる、見つかる、共有できる!カルチャー、アートプログラム、
明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。

あなたの暮らしを豊かにするヒントを、 オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、 はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
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番組では、意外や意外。初めてのテーマ『写真』
今の時代、写真を撮ったことがないという人はいないというくらい、手軽に撮影できるようになりましたが、
写真を撮るとき、見るとき、なにか意識をしているか……
写真を見る側と撮る側、写真文化について福岡市の写真家、奥勝浩さんにお話を聞いていきます。


大学生の頃から、写真家として活動していたという奥さん。
現在は、福岡市南区のスタジオ経営されながら、写真教室もされています。

基本的に人を撮るのが好き。また、開発されていく街にも興味があったという奥さん。

福岡の都市開発が進み街が変わっていく時代に、今までになかった素材で近代化が進んでいく。けれども、人の姿形は変わらない。
この環境の中で、人はどうなるんだろうと思い、街に目を向け撮影していきました。
それは、当時の写真家の間では賛否両論あったと言います。
写真は、「何が写っているのか」を見ることが多いので、奥さんのように、「自分が疑問に思っていることを写真でどう表すか」という撮り方をする人は少数派だったからです。

では、まず、今週は、写真を見る側の楽しみ方について聞いていきます。

ともやす いい写真、良くない写真ってあるものでしょうか?

奥さん 写真はまず「何が写っているか」そこだけを見られがちなんですけれども。
私にとって良い写真というものは、そこに映っていない、見えないけれども、何かこちらに、インスパイアするような、感動を伝えてくる、そんな写真です。
それは、楽しそうだったり、悲しそうだったり、社会的な問題だったり……。
いかにこちらにインスパイアするか。

だから、そんな写真は、賛否両論分かれるわけです。
認めてくれる人は絶賛する。いやこれは違うと思う人は罵倒する。

絶賛もされない、罵倒もされないというのが一番つまない写真ですね(笑)

ともやす 何かが感じられる写真ということですね。

奥さん そうですね。そこに写っているものを越えて、何かこちらの感情・感覚に訴えかけてくるものがある。それが私にとってのいい写真ですね。

奥さん おもしろいのは、同じ人物を同じポージングで撮るにしても、撮る人で違ってくることです。もちろん技術的なものもありますが、相手が人物の場合だと、ただ口角を上げて笑ったふりをしているのか、本当に目が笑っているか。
撮る側と撮られる側の信頼関係も、微妙に画面に出てきます。

ともやす なるほどー、では風景や生物とかではどうでしょう?

奥さん よく決定的瞬間というのを聞くと思いますが、あれば決して動きのあるものだけに対してではなくて、風景にもあるんですよ。

時間が変われば、太陽の位置が変わり、光の状態が変わるでしょう。
その風景を見せるのにベストなタイミングっていうのは、ほんの一瞬しかない。
空にいいタイミングで鳥が飛んでるとかもあります。風景とか街のスナップにしても決定的瞬間はあるんです。

全てが調和した瞬間、光の状態、物や人の配置、技術的なもの、そういうものが全てバランスよく調和した瞬間が撮れると、伝わるもの、訴えかけてくるものも、大きな写真になるんじゃないかなと思います。



写真を見るとき、そこに写っているものに縛られず、「何でこの人はこれを撮ったんだろう」「なんでこの画面構成で撮ったんだろう」「これを撮ることで何を伝えたいのだろう」見て想像すること、それができるようになれば、より写真が面白くなると奥さんは、言います。


そんな、奥さんでもFacebookやinstagramを見て発見することもあるそうです。

奥さん 長いこと写真をやっていると、写真とはこうあるべきみたいなものに、どうしても縛られることがあるんですが、一般の方がスマホで、ぽっとあげるものは、発想が自由だったりしますよね。特に女性の方は。

奥さん 男性のほうが、写真とはこうあるべきというのが強く、それに近づこうとするんですよ。
ところが女性は、そういうのがあんまりない。ぶれてても、ぼけてても、面白ければいいじゃないっと。その辺の自由さっていうのを時々感じますね。なるほど、こういうのもありかと。意表を突かれると言うか。こちらの想定外のものを見せられると言うか……。



今回、番組の中で、奥さんにお持ちいただいたある有名な写真家の写真で、ビュジュアル・シンキング・ストラテジーを実践しました。
その模様もぜひ聴いてみてくださいね。


奥さんの写真教室の生徒さんたちも「見る力」がどんどん変わっていき、それは自分が撮るときにも生かされてくるそうです。

奥さん まず12分画像をじっと見ること、何か想像してみること。そこからがスタートです。画面に写っている物を見て、どういうことが読み取れるか、想像できるか、それを言葉にして表していくというのが大事な作業ではないかと思います。


自分が感じたことを言葉にして、人に伝えてみる。
すると、伝えた相手からも「自分はこう感じる」と反応が返ってくる。
同じものを見ても、人はこんな風に見るのか、感じるのかとわかり、今までの自分が知らなかった世界が広がっていきます。
そうやって、いろんな作品を見ていくことが、本当に作品を”見た”ということではないかと奥さんは言います。


『写真』、ただただ、きれいだな~、おしゃれだな~っと見るのではなく、
ちょっと、見方を変えるだけで、より楽しめるということを感じました。


来週は、引き続き奥さんの「見る!撮る!Dive to 写真カルチャー DAY2」を
お届します。お楽しみに♪

<紹介した写真集>
ロバート・フランク /「The Americans」


番組はRadikoのタイムフリー機能でお楽しみください。
また、この内容はYouTubeでも配信しています。
 ♬ 明治産業 presents「OUR CULTURE, OUR VIEW」 


発信局:LOVE FM (http://lovefm.co.jp/)
放送エリア:福岡県全土、熊本、長崎、佐賀、大分、山口の一部と九州北部    
福岡局76.1MHz 北九州局82.7MHz 福岡タワー局 82.5MHz
パーソナリティ:佐藤ともやす 放送日時:毎週日曜日 10:30-11:30

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