ピアノ、それは瞬間芸術(ゲスト:ピアニスト 小林愛実さん)

6月9日(日)は、ピアニスト小林愛実さんをゲストにお迎えして「ピアノ、それは瞬間芸術」をお届けします。

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この番組は、毎週日曜の朝にお届けする、
「文化の楽しみ方」が わかる、見つかる、共有できる! カルチャー、アートプログラム、
明治産業プレゼンツ「OUR CULTURE, OUR VIEW」。
あなたの暮らしを豊かにするヒントを、 オリジナルな視点(VIEW)を持ちあわせるゲストとのトークや、 はたまた、パーソナリティが展覧会に突撃したりし、お伝えします。
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今回、番組2回目となるクラシック特集。
 (ご参考:NPO法人ドネルモ代表理事 山内泰さん「クラシック~それは幽霊の音楽~特集」


3歳からピアノを始め、7歳でオーケストラと共演、9歳で国際デビューを果たした愛実さん。
その後、ニューヨーク・カーネギーホールには4度出演、パリ、モスクワ、ポーランド、ブラジル等に招かれ、数々の著名指揮者、オーケストラとの共演を果たし、国内でも、N響、読売日響、東京フィル、兵庫芸術文化センター管弦楽団、日本フィル等と共演。サントリーホールをはじめ、各地でもリサイタルを行い高い評価を得ている、注目の若手ピアニストです。

幼少期より多くのメディアから注目を集め、既に多数のテレビやラジオ番組にも出演しています。
 そんな愛実さんのピアノを始めるきっかけとなるエピソードや、音楽のことは全くわからない、と言うご両親との微笑ましく面白いやりとりなど聞かせていただきました。


ただただ、楽しく弾きたいという気持ちから、大きくなるにつれ、ピアノを弾くことが仕事のようになってくることに戸惑った時期。
環境のせいでピアノを弾いているのか、本当にピアノが好きで弾いているのか……
アメリカに留学したばかりで、言葉もわからない、私はなぜここにいるんだろうと
辞めたくなったそうです。

ただ、自分のために環境を整えてくれている両親にピアノで恩返ししなければ……
と気負って辞められずにいたある日
とうとう「ピアノを辞めたい。帰りたい。」と弱音を吐くと
お母様は、「いつでも帰ってきていいんだよ。ピアノやらなくてもいいんだよ」
と言ってくれ、そこで一気に楽になったそうです。
そんなお母様は、今でも、

いつでもやめていい。
やりたいならやりなさい。いやならやめていい。
あなたの人生だし、私たちに気を遣わなくていい。
と。
おっしゃるそうです。

そんなお母様だからこそ、ご自身は弾けないのに「なんか下手」と愛実さんに
言えるのかもしれませんね(笑)


自由に弾けるソロと、オーケストラと一緒にやる室内楽、どちらも楽しいと愛実さん。
ソロの場合、自分だけが分かっていればいいけれど、オーケストラ一緒と弾くとなると、自分が思っている音楽を確信を持って、強く伝えないといけない。そのためにも自分が思う音楽を明確に持っていようと感じるそうです。
一緒に音楽を作って行くためにも.....。


「コンサートでは、お客さんも大事な存在だけれど、お客さんのために弾くというより、私がまず楽しもう!と思って弾いています。
自分が楽しんで演奏して、それが自然にお客さんに伝わっていけばいいなと思っています。
曲や作曲家の意図が私を通して、お客さんに届いたらいいなと思っています!」

そう語る愛実さんはいきいきして、ピアノを弾くことが本当に好きなんだと感じました。



ピアニストにとって一番大きなコンクール、ショパン国際コンクールは、音楽とどう向き合うか、作曲家とどう向き合うかと気づかされたコンクールだったそうです。

―ともやす「作曲した人の気持ちや、その曲に表れているものなど、調べたりするんですか?」

―愛実さん「調べます!本を読んだり、彼がどういう心境だったか、どういう時代だったかも。そして、亡くなっている方ばかりなので、楽譜から、音譜からも読み取ります」
「その楽譜から読み取ることが、ピアニストによって変わってくる。そこで自分の気持ち多めに出すのか。彼らの思ったことがあるうえで、自分の音楽を作るか。
そこが、ピアニストによって変わってくるのでおもしろいところです。
ピアニストのセンスや読み取り方で、同じ曲が変わってくるんです!」


―愛実さん「ピアニストそれぞれ感じることが違うので、お客さんもそれも含めて一緒に楽しんでもらえるのがコンサートかなと思います。
何も知らないで聞いて、イメージを持って、機会があれば曲、作曲家のことをちょっと知ったうえで聞くと、また違うように感じるかもしれないですよ。」


―愛実さん「日によって、ホールによって違うこともあるコンサートでの演奏。どんなに練習していても、毎回完璧に弾けるわけではない。また、自分だけのコンディションではなく、ピアノ、好きな響きのホール、それら全部が重なったとき、それが見つかった時、感じられたときが楽しいから、コンサートをやり続けるのかなと思います。」


瞬間の芸術ですね!

同じものは観ることができない、生で聞くことの楽しさを知ってほしいと。


他にも

なぜピアニストにとってかかせないのがショパンなのか?
今後の目標、そして7月12日のアクロス福岡シンフォニーホールでのリサイタルへの意気込みもお聞きしました。
久々のシンフォニーホールでの演奏は、クラシックに接点がない方も楽しんでいただけたらいいなとおっしゃいます。


小林愛実さん、率直な意見を言ってくださる「音楽はその瞬間でしかありえない」という言葉が印象に残ったピアニストでした。
音楽に対して真摯に、そして楽しくピアノと向き合い、作曲家のことを知ろうとする努力も忘れない。それを観客はコンサートを通して楽しめる。この放送を聴いて、リサイタルに行かれるとより楽しめると感じました。


ぜひRadikoのタイムフリー機能でお楽しみください。
また、この内容はYouTubeでも配信しています。
♬ 明治産業 presents「OUR CULTURE, OUR VIEW」

◆◆◆ 2019年7月12日(金) 19:00~ 小林愛実 ピアノ・リサイタル ◆◆◆
- 第1部 -ショパン華麗なる変奏曲 変ロ長調 Op.12
4つのマズルカ(第18-21番) Op.30
スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 Op.39
スケルツォ 第4番 ホ長調 Op.54

- 第2部 -シューマンアラベスク ハ長調 Op.18
謝肉祭「4つの音符による面白い情景」Op.9



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